おひるごはん

私の父は、働かない人だった。

いやあ・・・本当に働いていなかった。小学校から帰宅したら家に居ることが多く、子供用においてあったお菓子等食べてしまうような人だった。母はアルバイトをして家計を支えてくれていたけれど、父は働かず、火事も全くしない人だった。

そんな母が土日に仕事へ行くため、お昼ご飯を用意してくれているのだけれど、父は殆どそれを食べてしまう。だから私はおなかがすいていた。しかもそれを母に言わないように口止めされていた。というか、言ってしまうと父の機嫌が悪くなるし、母と父は激しい喧嘩をしてしまうので、どっちにしても私は苦しい状態になる。ゆえに言っていなかった部分もある。もちろん母に言った事もある。対策も取ってくれたこともある。でも「怒っておいたから」という言葉で片付けられる事もあった。

 

そんな父は超難関試験を独学で受け、何度も落ち続けているのに、高いプライドが許さないのか、働いてもすぐに会社の人とすぐに喧嘩をして辞めて帰宅する。

難関試験は毎年夏ごろに行われていたので、小学生の頃に一緒にお出かけした記憶がない。出かけても近場で、かつ読書に走るので、母と一緒に遊んでいた。(私は兄弟がいない)

祖父母も近くにおらず、所謂the核家族であったため、本当に3人で手を合わせてぎりぎりで生活していたように思う。

 

父は働いていないにも関わらず私は、非常にいい生活を送らせてもらっていた。(らしい)

当時タワーマンションと呼ばれるマンションに20年以上住み続け、国産のものしか口に入れず、デパートで買い物をする。これらが出来ていたのは、全て母のお陰にすぎない。感謝。